厚生年金保険料の月額はいくら?賞与にかかる保険料など詳細に解説しています!

今回は厚生年金保険の保険料関係について見ていきます。

毎月発生する保険料、賞与にかかってくる保険料、また、毎月の保険料はどのように決定しているのか、詳しく解説します。

ぜひお読みください。

目次

保険料

毎月の保険料

健康保険料(介護保険料は40歳以上65歳未満の方のみ)・厚生年金保険料については、標準報酬月額に各保険料率を乗じた金額となります。

標準報酬月額とは、被保険者が受ける報酬を一定の幅で区分した等級(厚生年金保険の場合、1等級(8万8千円)から32等級(65万円)までの32等級)に当てはめた金額となり、被保険者ごとに決められております。

報酬とは、社会保険上、給与・役員報酬等の総称を指し、基本給、職務手当・資格手当・家族手当等の毎月の手当、残業手当、通勤手当等となります。

資格取得の際に残業も見込まれる場合には見込みの残業代も含めての届け出を行い、標準報酬月額が決定されます。

標準報酬月額の決定のタイミングとしては、資格取得時・定時決定時・随時改定時があります。

保険料は会社・被保険者で折半負担となり、被保険者分は毎月の給与から控除して、会社が翌月末日までに年金機構に納付となります。

保険料はその月の月末に被保険者であった方について発生します。
(例. 9月末日に被保険者であった方は9月分の保険料が発生します)

保険料を給与から控除する際に注意事項がございます。

多くの会社では保険料を翌月徴収(当月の保険料を翌月支給の給与から控除する方法)を行っております。

例えば勤怠が末日締め、翌月20日に給与支給の会社で、末日の退職者が発生した場合には、翌月の最終給与で保険料を控除すればよろしいですが、末日以外に退職者が発生した場合には、退職月の保険料は発生しませんので、翌月の最終給与で保険料を控除してしまうと誤りになってしまいます。

賞与にかかる保険料

賞与については支払いの都度、保険料が発生します。

保険料の算出方法としては、通常の給与とは異なり、支給した賞与の1,000円未満を切り捨てた額を標準賞与額とし、この標準賞与額に健康保険料率(介護保険料率)・厚生年金保険料率を乗じた金額となります。

給与の場合と同じく会社・被保険者で折半負担となります。

そして、支払った賞与については、賞与支払届を年金機構に届け出を行い、年金機構から会社への保険料の請求と将来の年金額への反映が行われます。

社会保険上の賞与とは「賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働の対象として受けるもののうち、年3回以下の支給のもの」となります。

したがって、賞与という名称のものに限らず、一時金であれば該当することになります(労働の対象とみなされない慶弔金等は除きます)。

近年、年金機構の調査において、○○手当は一時金であり、社会保険上は賞与として賞与支払届の届け出および保険料控除が必要という指摘が多く見受けられます。

例えば、年末年始手当ということで年末年始のみ支給される手当については一時金に該当します。

年末年始手当を給与と共に支払っている場合でも、年金機構の調査において、賞与支払届の届け出を指摘されてしまうと、後ほど賞与支払届の届け出と保険料の控除が必要になってきてしまいます。

法律上、保険料徴収にかかる時効は2年となっており、2年前までさかのぼって修正を求められますので注意が必要です。

年4回以上の賞与(7月1日から翌年6月30日までの間の1年間に支給)については、賞与として賞与支払届の対象とならず、給与における標準報酬月額に含めることになります。

賞与支払届を提出しませんので、賞与支給の際の保険料控除も不要です。

標準報酬月額に含める方法については、年4回以上の賞与を合算して12等分し、算定基礎届の際に4月・5月・6月の報酬に上乗せします。

年4回以上という支給回数は、名称が異なっても同一性質を有するもの毎に判別します。

例えば、通常の賞与が年2回支給される他に、営業成績に応じた賞与が年2回支給されるような場合、こちらは労働の評価を基に支払われるものとして同一性質となり、計4回となります。

また、当該年に限り支給されたことが明らかな賞与については、支給回数に算入しません。

なお、新たな賞与を支給することになり、年間を通じ4回以上の支給に至る場合、次期標準報酬月額の定時決定(7月、8月、9月の随時改定を含む)により標準報酬月額が適用されるまでの間は賞与として取り扱い、賞与支払届の届け出を要します。

一方で次期標準報酬月額の定時決定(7月、8月、9月の随時改定を含む)については、年4回以上の賞与を12等分した額を各月の報酬に上乗せします。

決定方法

定時決定

保険料は資格取得時に決定されますが、実際の報酬と標準報酬月額との間に大きな差が生じないように年に1回見直されます。まず、4月・5月・6月に支給された報酬の額を算定基礎届に記載し届け出を行います。

4月・5月・6月に支給された報酬の平均額が標準報酬月額として決定され、こちらを定時決定といいます。

決定された標準報酬月額は9月から翌年8月まで適用となります。9月の標準報酬月額から適用となりますので、保険料を翌月徴収されている会社は、10月支給から控除する保険料の標準報酬月額を変更して計算が必要となります。

随時改定

標準報酬月額について、定時決定で年に1回見直しを行うと説明しましたが、定時決定とは別に随時改定がございます。

給与改定や給与体系の変更等、給与が大幅に変更される場合、現在の報酬と標準報酬月額に乖離が生じてしまいますが、随時改定を行うことによって、変更後の報酬に見合った標準報酬月額に改定を行います。

具体的な方法としては、被保険者の報酬が昇(降)給等の固定的賃金の変動に伴って大幅に変わった時に変動から3カ月の報酬を平均し、標準報酬月額が2等級以上変動した場合、月額変更届を届け出することにより、変動した4カ月目から変更後の標準報酬月額が適用となります。

随時改定は、次の3つの条件を全て満たす場合に行います。

(1)昇給または降給等により固定的賃金に変動が生じた場合。(※1)

(2)変動月からの3カ月間に支給された報酬(残業手当等の非固定的賃金を含む)の平均月額に該当する標準報酬月額とこれまでの標準報酬月額との間に2等級以上の差が生じた場合。(※2)

(3)3カ月とも支払基礎日数が17日(特定適用事業所に勤務する短時間労働者は11日)以上である場合。(※3)

上記(1)~(3)すべての要件を満たした場合、変更後の報酬を初めて受けた月から起算して4カ月目(例:4月に支払われる給与に変動があった場合、7月)の標準報酬月額から改定されます。

(※1)固定的賃金とは、支給額や支給率が決まっているものをいいますが、その変動には、次のような場合が考えられます。

  • 昇給(ベースアップ)、降給(ベースダウン)
  • 給与体系の変更(日給から月給への変更等)
  • 日給や時間給の基礎単価(日当、単価)の変更
  • 請負給、歩合給等の単価、歩合率の変更
  • 住宅手当、役付手当等の固定的な手当の追加、支給額の変更
  • 通勤手当の変更(日によって単価が決まっている場合は単価の変更)

(※2)厚生年金保険では、被保険者が受け取る報酬(基本給のほか残業手当や通勤手当等を含めた税引き前の給与)を一定の幅で区分した報酬月額に当てはめて決定した標準報酬月額を、保険料や年金額の計算に用います。

現在の標準報酬月額は、1等級(8万8千円)から32等級(65万円)までの32等級に分かれています。

報酬月額は、通勤手当等を含めた報酬に加え、事業所が提供する宿舎費や食事代等の現物給与(全国現物給与価額一覧表)の額も含めて決定されます。

(※3)支払基礎日数とは、給与計算の対象となる日数をいいます。日給制や時給制の場合は出勤日数、月給制や週給制の場合は暦日数で計算します。

定時決定と随時改定

定時決定と随時改定を見ていきましたが、随時改定が7月、8月、9月に生じた場合、随時改定を優先して、9月からの定時決定の標準報酬月額は適用しないルールとなっています。

  • 7月、8月、9月に随時改定を生じた(または予定)場合、定時決定は行わないということ。
    (例. 8月に随時改定を予定している場合、算定基礎届には、8月随時改定と記載して届け出となり、その被保険者について定時決定は行われず、8月随時改定の標準報酬月額が翌年8月まで適用となります。)
  • 定時決定(算定基礎届の届け出)は行ったが、7月、8月、9月に随時改定を生じた場合、随時改定の標準報酬月額を適用し、定時決定の標準報酬月額は適用されないこと。
    (例. 算定基礎届を届け出し、定時決定が行われたが、9月随時改定に該当した場合、9月随時改定の標準報酬月額を翌年8月まで適用となります。)

定時決定に優先される標準報酬月額は、あくまで7月、8月、9月の随時改定に限られます。

定時決定の標準報酬月額を反映する給与計算において保険料を徴収する際に、7月、8月、9月の随時改定が行われたかどうか、行われた場合は随時改定を優先して標準報酬月額を反映することとなります。

標準報酬月額は一度設定してしまうと、その後誤りに気付きにくい部分となりますので注意が必要です。

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