外国人が厚生年金に加入した場合の取り扱いは?退職後の脱退一時金等について詳細に解説します!

今回は外国人の雇用について説明させていただきます。

外国人であっても適用事業所で就労し、社会保険の加入要件を満たす場合には、厚生年金保険に加入となります。

必要な手続き、手続きに必要な書類等、詳細に説明しています。

ぜひお読みください。

目次

資格取得について

手続きは日本人と同じように資格取得の手続きを行いますが、短期在留の外国人で基礎年金番号またはマイナンバーを有していない場合、下記の書類を資格取得届に添付して手続きとなります。

・旅券の身分事項のページの写し

および下記から1つ

・旅券の資格外活動許可証印のページの写し
・資格外活動許可証の写し
・就労資格証明書の写し

日本の年金制度について、外国人の方にご理解いただくために、日本年金機構のホームページには15か国語に対応しているパンフレットがございます。

外国人の中には年金制度加入が免除となる方がいます。

外国人が雇用されている本国の会社から派遣され、日本で就労する場合です。

年金制度は雇用されている国で加入となりますが、海外企業で雇用され、日本に派遣されている方は日本に住んで就労しておりますので、日本の年金制度にも加入となります。

ただし、短期的に日本で就労する方は日本の年金保険料を納めても掛け捨てとなってしまいます。

この様な保険料の二重負担を防止するために国同士で社会保障協定を結び、派遣先での年金制度加入を免除できたり、年金加入期間の通算を行えたりします。

現在、日本は各国(22か国)との間で社会保障協定を結び、発効となっております。

一時的に日本に派遣され就労する方が、日本の年金制度への加入が免除されるためには、協定相手国の年金制度に加入していることを証明する「適用証明書」の交付を、協定相手国の実施機関から受ける必要があります。

こちらの「適用証明書」の交付を受けている方は日本の年金制度に加入を免除されております。

脱退一時金

外国人が厚生年金保険に加入して、年金保険料を納め、年金受給資格期間である10年を満たしますと、日本人と同じように年金を受給することができます。

しかし、年金受給資格期間10年を満たさぬまま帰国して、以後日本に住んで年金保険料を納める機会が無ければ、年金保険料の掛け捨てとなってしまいます。

この様な掛け捨てを防止するために脱退一時金がございます。

脱退一時は国民年金・厚生年金保険の2種類がございます。

国民年金の脱退一時金

国民年金の脱退一時金の支給要件は下記となります。

・日本国籍を有していない
・公的年金制度(厚生年金保険または国民年金)の被保険者でない
・保険料納付済期間等の月数の合計が6月以上ある(国民年金に加入していても、保険料が未納となっている期間は要件に該当しません。)
・老齢年金の受給資格期間(加入期間10年)を満たしていない
・障害基礎年金などの年金を受ける権利を有したことがない
・日本国内に住所を有していない
・最後に公的年金制度の被保険者資格を喪失した日から2年以上経過していない(資格喪失日に日本国内に住所を有していた場合は、同日後に初めて、日本国内に住所を有しなくなった日から2年以上経過していない)

国民年金の脱退一時金の支給額は、最後に保険料を納付した月が属する年度の保険料額と保険料納付済期間等の月数に応じて計算します。

なお、2021年(令和3年)4月より、最後に保険料を納付した月が2021年(令和3年)4月以降の方については、計算に用いる月数の上限が60月(5年)となりました。

脱退一時金の計算式

・最後に保険料を納付した月が属する年度の保険料額×2分の1×支給額計算に用いる数

「支給額計算に用いる数」は、保険料納付済期間等の月数の区分に応じて定められています。

最後に保険料を納付した月が、2023年(令和5年)4月から2024年(令和6年)3月の場合の具体的な支給額は、以下のとおりです。

保険料納付済期間等の月数(※)支給額計算に用いる数支給額(令和5年度)
6月以上12月未満649,560円
12月以上18月未満1299,120円
18月以上24月未満18148,680円
24月以上30月未満24198,240円
30月以上36月未満30247,800円
36月以上42月未満36297,360円
42月以上48月未満42346,920円
48月以上54月未満48396,480円
54月以上60月未満54446,040円
60月以上60495,600円

(※)保険料の一部免除を受けつつ納付した期間があった場合は、免除の種類に応じた期間が合算されます。なお、最後に保険料を納付した月が2021年(令和3年)3月以前の場合は、36月(3年)を上限として支給額が計算されます。

厚生年金保険の脱退一時金

厚生年金保険の脱退一時金の支給要件は下記となります。

・日本国籍を有していない
・公的年金制度(厚生年金保険または国民年金)の被保険者でない
・厚生年金保険(共済組合等を含む)の加入期間の合計が6月以上ある
・老齢年金の受給資格期間(10年間)を満たしていない
・障害厚生年金(障害手当金を含む)などの年金を受ける権利を有したことがない
・日本国内に住所を有していない
・最後に公的年金制度の被保険者資格を喪失した日から2年以上経過していない
(資格喪失日に日本国内に住所を有していた場合は、同日後に初めて、日本国内に住所を有しなくなった日から2年以上経過していない)

厚生年金保険の脱退一時金の支給額は次の計算式によって決まります。

2021年(令和3年)4月より、最終月(資格喪失した日の属する月の前月)が2021年(令和3年)4月以降の方については、計算に用いる月数の上限が60月(5年)となりました。

脱退一時金の計算式

被保険者であった期間の平均標準報酬額(※1)×支給率(保険料率×2分の1×支給率計算に用いる数)(※2)

※1 被保険者期間であった期間の平均標準報酬額は、以下のA+Bを合算した額を全体の被保険者期間の月数で除して得た額をいいます。

A 2003年(平成15年)4月より前の被保険者期間の標準報酬月額に1.3を乗じた額
B 2003年(平成15年)4月以後の被保険者期間の標準報酬月額および標準賞与額を合算した額

※2 支給率とは、最終月(資格喪失した日の属する月の前月)の属する年の前年10月の保険料率(最終月が1月~8月であれば、前々年10月の保険料率)に2分の1を乗じた率に、被保険者期間の区分に応じた支給率計算に用いる数を乗じたものをいいます。(計算の結果、小数点以下1位未満の端数がある場合は四捨五入します)

最終月が2021年(令和3年)4月以降の場合

被保険者であった期間支給率計算に用いる数支給率
6月以上12月未満60.5
12月以上18月未満121.1
18月以上24月未満181.6
24月以上30月未満242.2
30月以上36月未満302.7
36月以上42月未満363.3
42月以上48月未満423.8
48月以上54月未満484.4
54月以上60月未満544.9
60月以上605.5

なお、最終月が2021年(令和3年)3月以前の場合は、36月(3年)を上限として支給額が計算されます。

脱退一時金の請求

脱退一時金は、日本国籍を有しない方が、国民年金、厚生年金保険(共済組合等を含む)の被保険者(組合員等)資格を喪失して日本を出国した場合に請求することができます。ただし、日本を出国後2年以内に請求する必要があります。

手続きとしては脱退一時金請求書と添付書類(旅券の写し、住民票の除票の写しまたはパスポートの出国日の確認できる部分の写し、口座、基礎年金番号通知書)を日本年金機構に提出となります。

脱退一時金の請求書は外国語と日本語が併記された様式となっており、14か国語の外国語に対応しています。

以上のように、外国人の年金制度については、日本人にはない取り扱いがありますので、注意が必要です。

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