健康保険とは?加入要件やどんな給付があるのか簡単に説明します!

今回は健康保険法についてお話しさせていただきます。

加入の要件や、扶養に入る条件など、簡単に説明しております。

ぜひお読みください。

目次

健康保険とは

健康保険は、被保険者が、業務及び通勤以外の事由による病気、ケガ、休業、死亡または出産に対して保険給付を行うとともに、被扶養者の病気、ケガ、死亡及び出産についても保険給付が行われ、労働者とその家族の生活を安定させることを目的としています。

しかし、仕事中や通勤途中で起こった災害等については、労災保険で補償されるため、健康保険の給付の対象とはなりません。

国民健康保険との違い

会社員や公務員は勤務先で健康保険に加入しますが、勤め人ではない自営業者などは職域保険である健康保険に加入することが出来ません。自営業者などが加入する公的医療保険が、地域保険である国民健康保険です。

国民健康保険は市区町村を単位として運用されており、自営業者をはじめとして学生や無職の方など、勤務先で健康保険に加入していない人が加入します。

健康保険の場合、保険料の半分は会社が負担しますが、国民健康保険の場合は、全額被保険者負担となること、扶養という概念がないことが、国民健康保険の特徴になります。

介護保険とは

介護保険制度は、2000年4月からスタートし、全国の各市区町村が保険者として制度を運営しています。介護保険は、介護を必要とする人を社会全体で支えるためにつくられた制度です。

地域に住む40歳以上の住民が被保険者となり、被保険者が納める介護保険料と税金で運営されています。介護保険の被保険者となるのは、40歳以上の方で、加入は義務のため、自分の意思で脱退することはできません。

被保険者は、第1号被保険者と第2号被保険者に分けられます。第1号被保険者とは、市区町村の区域内に住所がある65歳以上の人。第2号被保険者は40歳以上65歳未満で健康保険などの医療保険に加入している人になります。

健康保険の保険者

保険者は、健康保険組合に加入していない企業に勤務する従業員が被保険者となる協会けんぽや、大手企業や同業種の企業グループでつくられる健康保険組合、公務員が加入する共済組合などがあります。

強制適用事業所・任意適用事業所

適用事業所には強制適用事業所と任意適用事業所があります。常時5人以上の労働者を使用する事業所及び「法人」で労働者を常時1人以上使用する事業所が強制適用事業所に該当します。

ただし、個人経営の場合、飲食店、接客業、理・美容業、旅館業等 サービス業、法律・会計事務所等は適用対象外になります。

強制適用事業所以外の事業所でも、適用事業所になることに社員の半数以上が同意し、会社が適用事業所の申請を行い、認可を受ければ適用事業所になることが可能です。この事業所を任意適用事業所といいます。

適用事業所に雇用されれば健康保険の被保険者になり、適用対象外の事業所に雇用されれば、国民健康保険の被保険者となります。

健康保険の被保険者

強制または任意によって適用事業所となった会社に使用される75歳未満の労働者は、原則として「被保険者」となりますが、働き方によっては被保険者にならないこともあります。

健康保険の加入要件

社会保険(健康保険、厚生年金)の適用事業所に常時使用される通常の労働者(フルタイム勤務者)は、被保険者となります。

常時使用されるパート等の短時間労働者の場合は、1週間の所定労働時間および1ヶ月の所定労働日数が、同じ事業所で同様の業務に従事している通常の労働者の4分の3以上であれば、被保険者となります。

ただし、上記の4分の3以上を満たさない場合であっても、以下の全てに該当する場合は被保険者となります。

  1. 1週間の所定労働時間が20時間以上である。
  2. 2ヶ月以上の雇用期間が見込まれる。
  3. 1ヶ月の賃金月額(所定内賃金)が88,000円以上である。
  4. 学生(夜間、通信、定時制は除く)ではない。
  5. 特定適用事業所(被保険者数が101人以上の企業)または任意特定適用事業所(被保険者数が100人以下で、社会保険加入の労使合意がある企業)に勤めている。

健康保険の被扶養者

健康保険では、被保険者本人のほか、その扶養家族に対しても保険給付があります。この扶養家族を「被扶養者」といいます。

被扶養者についても、病気・ケガ・死亡・出産の保険給付が行われます(ただし、傷病手当金や出産手当金等、給付対象外になるものもあります)。

被扶養者に該当する条件は、原則として日本国内に住所(住民票)を有しており、被保険者により主として生計を維持されていること、および次の(1)(2)いずれにも該当した場合になります。

(1)収入要件

年間収入130万円未満(60歳以上または障害者の場合は、年間収入180万円未満)かつ

  • (同居の場合)収入が扶養者(被保険者)の収入の半分未満
  • (別居の場合)収入が扶養者(被保険者)からの仕送り額未満

なお、上記でいう年間収入とは、過去の収入のことではなく、被扶養者に該当する時点および認定された日以降の年間の見込み収入額のことをいいます。

また、収入が扶養者(被保険者)の収入の半分以上の場合であっても、扶養者(被保険者)の年間収入を上回らないときで、日本年金機構がその世帯の生計の状況を総合的に勘案して、扶養者(被保険者)がその世帯の生計維持の中心的役割を果たしていると認めるときは被扶養者となることもあります。

(2)同一世帯条件

被保険者と同居している必要がない者

  • 配偶者
  • 子、孫および兄弟姉妹
  • 父母、祖父母などの直系尊属

被保険者と同居していることが必要な者

  • 上記ア以外の3親等内の親族(伯叔父母、甥姪とその配偶者など)
  • 内縁関係の配偶者の父母および子(当該配偶者の死後、引き続き同居する場合を含む)

なお、夫婦ともに収入がある場合における子の被扶養者認定については、被扶養者の人数にかかわらず、年間収入の多い方の被扶養者として認定されます。なお、申請を行う被保険者の年間収入は、過去の収入、現時点の収入または将来の収入などから今後1年間の収入を見込んだ額を算出して比較します。

健康保険料

保険料は従業員の給与に応じて決まりますが、計算しやすいよう標準報酬月額を設定して、それをもとに保険料を算出します。

資格取得時に、会社から従業員に支払われる1か月の給与(通勤手当や時間外手当、残業手当、役職手当、住宅手当といった各種手当を含みます。出張時の旅費や年3回以下の賞与、退職金などは含まれません。)で標準報酬月額を決定します。

その後、標準報酬は原則として、年に1度、算定基礎届により4月・5月・6月の3ヶ月の報酬をもとにしてその年の9月から改定されます。また、昇給等があった際の月額変更や育児休業終了時改定で変更されることもあります。

保険料は、被保険者の標準報酬月額に保険料率をかけて算出し、事業主と被保険者が折半で負担となります。また、保険料率については、都道府県ごとに定められています。(協会けんぽの場合)

なお、組合管掌保険の場合、一般保険料率は1000分の30から1000分の130までの範囲内で、個々の組合が厚生労働大臣の認可を受けて定めることになっており、(健保法第71条の4)負担割合も事業主の負担を増加することが認められています。

納付については、事業主が当月分を翌月末日の納期限までに労使分を合わせて納付します。

介護保険料はいつから

介護保険料は40歳となった月から65歳となる月の前月まで健康保険料と併せて徴収されます。

ただし、誕生日が月の初日であるときには、40歳の誕生日の前月から65歳となる月の前々月までの徴収となります。

保険料徴収の単位

加入については日単位ですが、保険料の徴収は月単位となっています。

そのため、加入期間が1日でも1か月分の保険料が徴収されます。

健康保険の保険給付

健康保険の保険給付には、病気やけがの診療にかかる「医療給付」と、傷病手当金、出産費や埋葬料などの「その他の給付」があります。

医療給付

  • 療養の給付、入院時の食事療養費等…被保険者証で治療を受けるとき
  • 療養費、高額療養費等…立て替え払いのとき
  • 移送費…緊急時などに移送されたとき
  • 傷病手当金…療養のため休んだとき

その他の給付

  • 出産育児一時金、出産手当金…出産したとき
  • 埋葬料(費)…死亡したとき
  • (継続給付)傷病手当金、出産手当金、出産育児一時金、埋葬料(費)…退職した後(継続または一定期間の給付)

退職後の健康保険について

退職後は次のいずれかの医療保険に加入する手続きが必要です。

  1. 任意継続健康保険
    1. 資格喪失日の前日までに「継続して2ヶ月以上の被保険者期間」があること。
    2. 資格喪失日から「20日以内」に申請すること。
  2. 国民健康保険
  3. ご家族の健康保険(被扶養者になる)

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