厚生年金保険の標準報酬月額とは?その内容と保険料の関係について解説します!

今回は厚生年金保険の標準報酬月額、保険料について見ていきます。

毎月の保険料はどのように決定しているのか、保険料率について詳しく解説します。

ぜひお読みください。

目次

標準報酬月額の決定について

毎月の保険料の基となる標準報酬月額の決定の種類としては、資格取得時・随時改定時・定時決定時があります。

ではこちらの決定された標準報酬月額がどのタイミングで反映され、保険料控除を行うのかを具体的に見ていきましょう。

保険料率とは

まず、標準報酬月額反映と保険料控除を行う前に、保険料率が正しいかどうかを確認します。

標準報酬月額は厚生年金保険料、健康保険料、介護保険料の基になる金額となります。

こちらの3つの保険料は、標準報酬月額に各保険料率を乗じて算出し、会社と被保険者で折半負担となります。

給与計算システムで標準報酬月額を設定しますと、こちらの3つの保険料が自動で算出されますので、保険料率の確認は重要となります。

厚生年金保険料率については、平成29年9月まで段階的に引き上げられ、現在1000分の183と固定となっております。

健康保険料率について、協会けんぽの場合は毎年3月に見直され、各都道府県により異なります。

健康保険組合の場合には各健康保険組合により料率が異なります。

介護保険料率については、協会けんぽの場合は毎年3月に見直され、都道府県別ではなく、一律の料率となり、健康保険組合の場合は各健康保険組合により料率が異なります。

健康保険料率・介護保険料率については、標準報酬月額を適用する時期、協会けんぽ・健康保険組合の別により異なりますので、必ず確認しましょう。

資格取得時決定

被保険者資格を取得すると同時に標準報酬月額が決定されます。

資格取得時に決定通知書が発行され、標準報酬月額の欄に金額が記載されます。

標準報酬月額は厚生年金保険、健康保険、介護保険により異なります。厚生年金保険は98,000円から650,000円まで、健康保険および介護保険は58,000円から1,390,000円までとなります。

例えば、健康保険および介護保険の標準報酬月額が680,000円の方について、厚生年金保険では650,000円となりますので設定時には注意が必要です。

保険料を翌月徴収(当月の保険料を翌月支給の給与から控除する方法)している会社については、資格取得日の属する月の翌月に支給される給与から初めて控除することになります。
(例. 9月に資格取得の場合、10月支給給与から保険料(9月分)を控除開始)

また、保険料を当月徴収(当月の保険料を当月支給の給与から控除する方法)している会社については、資格取得日の属する月に支給される給与から控除することになり、締め日の関係で資格取得日の属する月に支給される給与が無く、翌月から初めて給与が支給される場合には、その給与から2か月分控除することになります。
(例. 9月に資格取得の場合、9月支給給与から保険料(9月分)を控除開始。給与支給が10月からの場合、10月支給給与から保険料(9月・10月分の2か月分)を控除となります。)

標準報酬月額は一度設定してしまうと、以後誤っていた場合に気づきにくいですので注意が必要です。

保険料を控除する際にもう1つ注意が必要なことがございます。

介護保険料です。

介護保険料を控除する対象者は40歳以上65歳未満の方となります。

給与計算システムによっては、生年月日から自動判別してくれるものもございますが、最初の設定が間違えてしまいますと、以後気づかないまま控除し続けるまたは、控除すべき方から控除していないことになりますので、設定の際には注意が必要です。

随時改定

随時改定により標準報酬月額が改定されますと、改定通知書が発行され、改定月と改定後の標準報酬月額が記載されます。

改定月の標準報酬月額を設定し、保険料を改定する必要があります。

こちらも翌月徴収・当月徴収の場合に気を付けながら設定を行います。

定時決定

定時決定による標準報酬月額は9月から適用となります。

毎年7月10日までに届け出た算定基礎届に対して、決定通知書が発行され、適用年月(9月となります)と決定後の標準報酬月額が記載されます。

9月からの標準報酬月額ということですので、翌月徴収・当月徴収の場合により設定時期が異なります。

翌月徴収の場合には10月支給給与から、当月徴収の場合には9月支給給与から、決定通知書に記載の標準報酬月額を設定し、保険料を控除となります。

定時決定による標準報酬月額を適用する時に注意点がございます。

随時改定の対象者です。

7月・8月・9月の随時改定の対象者については、7月・8月・9月の随時改定の標準報酬月額を使用し、算定基礎により決定された標準報酬月額は使用しないこととなります。

したがいまして、算定基礎の標準報酬月額を反映する際には、7月・8月・9月の随時改定の通知書も同時に確認を行い、正確に標準報酬月額を設定する必要がございます。

退職者の保険料について

退職者が発生した際には控除する保険料に注意が必要です。

まず、保険料はその月の末日まで被保険者である方について発生します。

退職日が末日であれば退職日の属する月までの保険料を控除する必要があり、退職日が末日以外であれば、退職日の属する月の前月までの保険料を控除することになります。

翌月徴収の場合で給与が末日締め、翌月20日支給を例にして見ていきましょう。

【退職日が9月30日の場合】
最終給与支給日:10月20日

最終給与から控除する保険料は9月分の1か月分となります。

【退職日が9月29日の場合】

10月20日支給給与から保険料の控除はありません。

では、翌月徴収の場合で給与が末日締め、当月20日支給を例にした場合はどうなりますでしょうか。

【退職日が9月30日の場合】

最終給与支給日:9月20日(残業代等の清算が翌月10月支給で無い場合とします)

保険料は8月分・9月分の2か月分を控除となります。

翌月徴収・当月徴収、さらには給与支給日により、何か月分の保険料を控除するのかが異なります。

また、随時改定・定時決定の標準報酬月額を反映する場合には注意が必要です。

例えば先程と同じく翌月徴収の場合で給与が末日締め、翌月20日支給を例にします。

【退職日が9月30日の場合】
最終給与支給日:10月20日

最終給与から控除する保険料の標準報酬月額は9月のもの(算定基礎の標準報酬月額)を適用し、控除する必要があります。

では、翌月徴収の場合で給与が末日締め、当月20日支給を例にした場合はどうなりますでしょうか。

【退職日が9月30日の場合】
最終給与支給日:9月20日(残業代等の清算が翌月10月支給で無い場合とします)

保険料は8月分・9月分の2か月分を控除となりますが、こちらの最終給与から控除する保険料の標準報酬月額は8月のもの(算定基礎の結果を反映する前のもの)9月のもの(算定基礎の結果を反映したもの)を適用し、2か月分の保険料を控除する必要がございます。

この様に2か月分の保険料であっても、異なる保険料の場合がありますので注意が必要です。

こちらは算定基礎の結果を例にあげましたが、随時改定対象者が退職する際にも同様に注意が必要となります。

また、退職時に40歳および65歳になる方については介護保険料の発生の有無がございます。

例えば9月10日に40歳になられる方は9月分の保険料から介護保険料が発生いたします。

翌月徴収の場合で給与が末日締め、当月20日支給、退職日が9月30日を例にした場合、9月20日支給給与から保険料2か月分を控除いたしますが、内訳としては8月分の保険料(介護保険料は無し)、9月分の保険料(介護保険料は有り)となります。

退職者にかかる保険料控除については、後の給与で調整を行うことができず、退職しているという状況からしても修正が困難となりますので、保険料徴収の際には細心の注意が必要です。

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