健康保険の療養の給付とは?給付の内容や負担金額など詳細に説明します!

今回は健康保険の「療養の給付」についてご説明させていただきます。

どんな給付があるのか、給付が受けられないケースや給付を受ける際の流れなど詳細に説明します。

ぜひお読みください。

目次

療養の給付とは

健康保険の被保険者や被扶養者が業務外の事由により病気やケガをしたときは、保険医療機関(病院・診療所)に保険証(70歳以上の方は高齢受給者証も合わせて提出)を提出し、一部負担金を支払うことで、診察・処置・投薬などの治療を受けることができます。

また、医師の処方せんを受けた場合は、保険薬局で薬剤の調剤をしてもらうことができます。このことを「療養の給付」といいます。

療養の給付の範囲

診察・検査・・・身体に異常があれば、いつでも健康保険で医師の診察や治療に必要な検査が受けられます。

薬・治療材料・・・治療に必要な薬は、厚生労働省が定める『薬価基準』にのっている薬に限り支給されます。 また、治療に用いるガーゼ、包帯、眼帯などの治療材料はすべて支給されます。 コルセット、サポーター、義手、義足、松葉杖などは支給または治療に必要な期間だけ貸し出してもらえます。

処置・手術・・・注射や処置・手術はもちろん、放射線療法、療養指導なども受けられます。ただし、研究中のものや医学界で認められていない特殊な治療は健康保険では受けられません。

入院・看護・・・医師が必要と認めた場合、健康保険で入院することができ、入院中はその療養に必要な世話や看護も受けられ、寝具も用意されています。 病室は基本的に一般室ということになっており、個室などの特別な部屋へ入りたいときは、差額室料を自己負担で支払います。 また、入院中の食事療養については、1食につき決められた標準負担額が必要ですが、栄養管理された食事が支給されます。

在宅療養・訪問看護・・・難病や末期ガン患者の方、また医師が認めた人が安心して在宅で療養できるように、医師による訪問診療が受けられます。また、訪問看護ステーションから派遣された看護師による訪問看護なども受けられます。

海外療養費・・・海外療養費制度は、海外旅行中や海外赴任中に急な病気やけがなどによりやむを得ず現地の医療機関で診療等を受けた場合、申請により一部医療費の払い戻しを受けられる制度です。

健康保険が使えないケース

健康保険の「療養の給付」は、病気やケガをしたときの治療を対象として行われます。

このため、日常生活に何ら支障がないのに受ける診療(美容整形など)に健康保険は使えません。

妊娠も病気とはみなされないため、正常な状態での妊娠・出産は健康保険の適用から除外されています。

また、健康保険の目的からはずれるような病気やケガをしたときは給付が制限されることがあります。

  • 美容を目的とする整形手術
  • 近視の手術など
  • 研究中の先進医療
  • 健康診断、人間ドッグ
  • 予防注射
  • 正常な妊娠・出産
  • 経済的理由による人工中絶

ただし、以下の場合は例外的に健康保険を使用することができます。

  • 斜視等で労務に支障をきたす場合、生まれつきの口唇裂の手術
  • ケガの処置のための整形手術、他人に著しい不快感を与えるワキガの手術など
  • 都道府県知事の承認を受けた大学病院などの「特定承認保険医療機関」で厚生労働大臣の定める診療を受ける場合(差額は自己負担)
  • 妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)などによる異常分娩の場合
  • 母体に危険が迫った場合に母体を保護するための人工妊娠中絶

業務上や通勤災害によるケガの扱い

業務上の原因による病気やケガ、通勤途上に被った災害などが原因の病気やケガについては、健康保険給付は行われず、原則として労災保険の適用となります。

健康保険と重複して給付を受けることはできませんので、注意が必要です。

業務中にけがをした社員が、誤って自分の健康保険証を使用したことが判明した場合は、労災への切り替えが必要になります。

受診した病院での切り替えが出来ない場合は、いったん医療費の全額を自己負担した上で、労災保険に請求することになります。

療養の給付の受け方

業務外で病気やけがをしたときは、

  1. 健康保険を扱っている病院・診療所に『被保険者証』を提出します。70歳~74歳の方(後期高齢者医療制度の被保険者等になる方を除く)は「高齢受給者証」もあわせて提示してください。
  2. 一部負担金を支払い、診察・治療・薬の支給・入院などの治療を治るまで受けることができます。また、医師の処方せんをもらった場合は、保険薬局で薬剤の調剤をしてもらうことができます。

健康保険証(被保険者証)

保険医療機関などでは、被保険者証の提出によって健康保険で診察を受ける資格があるかどうかを確認します。

被保険者証は、保険診察を受けるための資格があることの証明書ですので、日頃から大切に取り扱う必要があります。

※オンライン資格確認を導入している医療機関等ではマイナンバーカードを健康保険証として利用できます。(マイナポータル等での事前登録が必要)

一部負担金

保険証等を提示して保険医療機関で医療を受けたときや保険薬局で薬の調剤をしてもらったときは、保険医療機関等の窓口でかかった医療費の一部を支払います。

これを一部負担金と言い、本人・家族、入院・外来にかかわらず、年齢等によってその負担割合が区分されています。

  • 75歳以上の者→1割(現役並み所得者は3割、現役並み所得者以外の一定以上所得者の者は2割(※令和4年10月1日から施行))。
  • 70歳から74歳までの者→2割(現役並み所得者は3割。)。
  • 6歳(義務教育就学後)以上70歳未満の者→3割。
  • 6歳(義務教育就学前)未満の者→2割。

現役並み所得者とは?

現役並み所得者とは、標準報酬月額28万円以上の被保険者と、その人の70歳以上75歳未満の被扶養者です。 ただし下記①②のいずれかに該当する場合は、申請することにより一般扱い(2割負担)となります。(「現役並み所得者以外の一定以上所得者」の扱い)

  • 複数世帯の年収が520万円(単身者の場合383万円)未満の場合
  • 被扶養者が後期高齢者医療制度の被保険者になることによって単身者の基準(年収383万円以上)に該当する被保険者について、世帯に他の70歳以上75歳未満の被扶養者がいない場合に、被扶養者であった人の収入を合算した年収が520万円未満の場合

入院時に払う食費・居住費

被保険者が病気やけがで保険医療機関に入院したときは、療養の給付とあわせて食事の給付が受けられます。

入院したときは医療費の自己負担とは別に、食事の費用(食事療養標準負担額)を自己負担することになっており、標準負担額を超えた額は入院時食事療養費として現物給付され、保険者が負担します。

標準負担額は、平均的な家計の食費を勘案して厚生労働大臣が定めることとなっています。

また、住民税非課税世帯と標準負担額の減額を受けなければ生活保護法の要保護者となる世帯(以下、低所得世帯という)の人及び市町村民税の非課税世帯に属し、かつ所得が一定基準に満たない方(70才以上の高齢受給者に限る。)については、次のようになります。

また、標準負担額など食事療養費に要した自己負担額については、高額療養費の対象から除外されることとなっています。

なお、1日の標準負担額は、3食に相当する額を限度とします。

一般の方1食につき 460円
難病患者、小児慢性特定疾病患者の方(住民税非課税世帯を除く)1食につき 260円
住民税非課税世帯の方1食につき 210円
住民税非課税世帯の方で過去1年間の入院日数が90日を超えている場合1食につき 160円
住民税非課税世帯に属し、かつ所得が一定基準に満たない70歳以上の高齢受給者1食につき 100円

健康保険給付が制限されるケース

  • 犯罪行為や故意に事故(病気・ケガ・死亡など)を起こしたとき
  • ケンカ、酒酔いなどで病気やケガをしたとき
  • 正当な理由もないのに医師(病院)の指示に従わなかったとき
  • 詐欺、その他不正に保険給付を受けたり、受けようとしたとき
  • 保険者の指示する質問や診断を拒んだとき
  • 少年院や刑事施設などにいるとき(健康保険給付を行うことが事実上不可能なため、支給されません。ただし、埋葬料と被扶養者への支給は行われます)

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