高額療養費制度ってなに!?制度の内容、どんな医療が対象になるのか等詳細に説明します!

今回は健康保険の高額療養費制度についてご説明させていただきます。

高額な医療費が発生した場合に払い戻しが受けられる制度ですが、どんなケースが対象になるのか、高額療養費の計算方法など詳細に説明します。

ぜひお読みください。

目次

高額療養費制度について

医療費の家計負担が重くならないよう、医療機関や薬局の窓口で支払う医療費が1か月(歴月:1日から末日まで)で上限額を超えた場合、その超えた額を支給する「高額療養費」(被扶養者の場合は「家族高額療養費」)があります。(ただし、保険外併用療養費の差額部分や入院時食事療養費、入院時生活療養費の自己負担額は対象になりませんので注意が必要です。)

【世帯合算】

高額療養費の自己負担限度額に達しない場合であっても、同一月内に同一世帯で21,000 円以上の自己負担が複数あるときは、これらを合算して自己負担限度額を超えた金額が支給されます。同一人が同一月内に2つ以上の医療機関にかかり、それぞれの自己負担額が21,000 円以上ある場合も同様です。(70~74歳の方がいる世帯では算定方法が異なります。)

【多数該当】

同一世帯で1年間(診療月を含めた直近12か月)に3回以上高額療養費の支給を受けている場合は、4回目からは自己負担限度額が変わります。

【自己負担額】

  • 自己負担額は、年齢及び所得状況等により設定されています。
  1. 総医療費とは保険適用される診察費用の総額(10割)です。
  2. 療養を受けた月以前の1年間に、3ヵ月以上の高額療養費の支給を受けた(限度額適用認定証を使用し、自己負担限度額を負担した場合も含む)場合には、4ヵ月目から「多数該当」となり、自己負担限度額がさらに軽減されます。

「区分ア」または「区分イ」に該当する場合、市区町村民税が非課税であっても、標準報酬月額での「区分ア」または「区分イ」の該当となります。

  1. ※3被保険者が市区町村民税の非課税者等である場合です。
  2. ※4被保険者とその扶養家族全ての方の収入から必要経費・控除額を除いた後の所得がない場合です。

現役並み所得者に該当する場合は、市区町村民税が非課税等であっても現役並み所得者となります。

【高額療養費の現物給付化】

70歳未満の方であっても、従来の「入院される方」及び「外来で在宅時医学総合管理料、特定施設入居時等医学総合管理料及び在宅末期医療総合診療料を算定される方」に加え、「外来で療養を受ける方」の高額療養費を現物給付化し、一医療機関ごとの窓口での支払を自己負担限度額までにとどめることができるようになりました。

医療機関窓口での1か月のお支払いが最初から自己負担限度額までとなる方法について

(協会けんぽの場合)

方法①マイナ保険証を利用する

医療機関等の窓口でマイナ保険証(健康保険証利用登録を行ったマイナンバーカード)を提出し、「限度額情報の表示」に同意する方法です。

※オンライン資格確認を導入している医療機関等である必要があります。

方法②限度額適用認定証を利用する

オンライン資格確認を導入していない医療機関等で受診される場合や、協会けんぽにマイナンバーの登録が行われていない場合は、事前に「限度額適用認定証」を用意すると便利です。保険証とともに「限度額適用認定証」を医療機関に提出すると、病院からの医療費請求額を自己負担限度額までの金額(月単位)にとどめることができ、医療費の窓口負担を抑えることができます。

ただし、70歳以上75歳未満で標準報酬月額26万以下の方と83万以上の方は「高齢受給者証」を提示することにより、医療機関の窓口での負担が自己負担限度額までとなりますので、作成は不要です。

限度額適用認定証の認定証の有効期間については、申請月の初日(健康保険加入月に申請された方は資格取得日)から1年間になります(協会けんぽの場合)。遡っての発行が出来ないため、早めに申請されることをお勧めいたします。

なお、やむを得ず申請が遅れてしまい、月の途中で限度額適用認定証の交付を受け、月初めの診療の際に限度額適用認定証の提示をすることが出来なかった場合について、同一の病院で外来診療を受けたとき、限度額適用認定証を病院窓口へ提示するタイミングにより、以下の対応となります。

①当月中に再度外来診療があり、限度額適用認定証を病院窓口に提示した場合。
⇒当月中は、さかのぼって適用されるため、病院で以前の当月分の支払いが確認できた場合、すでに病院の窓口で支払った金額を含めて、病院で精算されます。

②当月中に外来診療がなく、翌月に限度額適用認定証を病院窓口で提示した場合。
⇒限度額適用認定証は、前月以前にさかのぼっての適用を受けることができませんので、病院での精算は行われません。限度額適用がされなかった診療分につきましては、後日、「高額療養費支給申請書」を提出することになります。

上記が一般的な対応ですが、受診する医療機関によって、対応が異なる場合があります。

また、限度額適用認定証による保険医療機関窓口での負担軽減は、保険医療機関ごとの入院・外来別となります。2つの病院に入院して、それぞれ自己負担限度額を支払った場合、申請することにより、高額療養費が支給されますので注意が必要です。

【高額療養費の対象とならないもの】

  • 健康保険の対象外となる自己負担分
  • 入院時食事療養に係る食事療養標準負担額
  • 入院時生活療養に係る生活療養標準負担額

【高額療養費の留意点】

  • 高額療養費は「暦月」単位として算定されます。

月の下旬から翌月の中旬まで入院したような場合、各月ごとに算定すると高額療養費の算定基準額に届かずに、高額療養費の対象外となるケースもあります。

これは連続した入院期間がその月のみだとすれば、高額療養費算定基準額を超えてる医療費だったにもかかわらず、複数月にまたがったために、同基準額を超えなかったというケースです。

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