令和7年度 年金額改定のポイントを詳細に解説します!

今回は令和7年度の年金額等の改定についてご説明させていただきます。
近年、円安・戦争・原材料の高騰・農作物の不作等の様々な要因により物価上昇傾向となっており変動しておりますが、賃金も変動しております。
これらの変動に関して、年金も影響を受けることになります。
現在の年金額については、年金額の改定を重ね、現在の金額となっております。
令和7年度の年金額についても改定が行われ、改定には物価変動率および名目手取り賃金変動率の指標を使用します。
日々ニュース等で値上げや賃上げの内容が見られますが、私たちの年金額にも大きく影響している内容となります。
今回は年金の改定がどのような仕組みになっているのか、見ていきたいと思います。
令和7年度の年金額
令和7年度の年金額については、令和6年度から1.9%の引き上げとなります。

令和7年度の年金額の引き上げ率は1.9%ですが、何故1.9%なのかを見てきましょう。
令和7年度の年金額について
まず、年金額は物価変動率や名目手取り賃金変動率に応じて、毎年度改定を行う仕組みとなっております。
物価変動率が名目手取り賃金変動率を上回る場合は、支え手である現役世代の方々の負担能力に応じた給付とする観点から、名目手取り賃金変動率を用いて改定することが法律で定められております。
このため、令和7年度の年金額は、名目手取り賃金変動率(2.3%)を用いて改定します。
また、令和7年度のマクロ経済スライドによる調整(▲0.4%)が行われます。この様な指標を基にしたところ、令和7年度の年金額の改定率は、1.9%となります。
令和7年度の改定における参考指標
- 物価変動率:2.7%
- 名目手取り賃金変動率 (※1):2.3%
- マクロ経済スライドによるスライド調整率 (※2 ):▲0.4%
※1 「名目手取り賃金変動率」とは、2年度前から4年度前までの3年度平均の実質賃金変動率に前年の物価変動率と3年度前の可処分所得割合変化率(0.0%)を乗じたものです。 名目手取り賃金変動率(2.3%)=実質賃金変動率(▲0.4%)(令和3~5年度の平均)+ 物価変動率(2.7%)(令和6年の値)+ 可処分所得割合変化率(0.0%)(令和4年度の値)
※2 「マクロ経済スライド」とは、公的年金被保険者の変動と平均余命の伸びに基づいて、スライド調整率を設定し、その分を賃金と物価の変動がプラスとなる場合に改定率から控除するもので、この仕組みは、平成16年の年金制度改正により導入されました。 マクロ経済スライドによる調整を計画的に実施することは、将来世代の年金の給付水準を確保することにつながります。マクロ経済スライドは、平成27年度、令和元年度、令和2年度、令和5年度、令和6年度、令和7年度の計6回発動しています。
マクロ経済スライドによるスライド調整率(▲0.4%)=公的年金被保険者総数の変動率(▲0.1%)(令和3~5年度の平均)+ 平均余命の伸び率(▲0.3%)(定率)
令和7年度の国民年金保険料
令和7年度・8年度の国民年金保険料額は下記の通りとなります。

国民年金の保険料は、平成16年の年金制度改正により、毎年段階的に引き上げられてきましたが、平成29年度に上限(平成16年度水準で16,900円)に達し、引上げが完了しました。
その上で、平成31年4月から、次世代育成支援のため、国民年金第1号被保険者(自営業の方など)に対して、産前産後期間の保険料免除制度が施行されたことに伴い、令和元年度分より、平成16年度水準で、保険料が月額100円引き上がり17,000円となりました。
実際の保険料額は、平成16年度水準を維持するため、国民年金法第87条第3項の規定により、名目賃金の変動に応じて毎年度改定されます。
なお、国民年金保険料については、2年度分を前納できることから、令和8年度分の保険料も算定されます。
令和7年度の在職老齢年金の支給停止調整
令和7年度の在職老齢年金における支給停止調整額は下記の通りとなります。

在職老齢年金には、老齢厚生年金の月額と賃金(標準報酬月額+標準賞与額÷12)の合計額が、支給停止調整額を上回る場合、上回る額の2分の1の額が老齢厚生年金の月額から減じられて支給となる支給停止の仕組みがあります。
支給停止調整額は、厚生年金保険法第46条第3項の規定により、名目賃金の変動に応じて改定されます。
平成30年の支給停止調整額は46万円でした。令和7年では51万円となりますので、それだけ物価や賃金が変動していることとなります。
なお、改定により支給停止調整額が増えましたので、今まで支給停止になっていた部分が解除され、年金額が少し増える方がいらっしゃいます。
以上、年金額等に関する改定をご案内いたしましたが、平成30年の金額を比べて見てみたいと思います。
比べて見ますとわかりますが、平成30年度より、令和7年度の金額が高いことがわかります。
物価や賃金は私たちの生活に大きく影響いたしますが、その変動率に伴い、私たちの年金額等にも反映されていることがわかります。
老齢年金
平成30年度

令和7年度

国民年金保険料
平成30・31年度

令和7・8年度

在職老齢年金の支給停止調整額
平成30年度

令和7年度

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