健康保険の二以上事業所勤務届って?条件や提出先など詳細に解説します!

今回は健康保険に関する二以上事業所勤務届についてご説明させていただきます。

健康保険組合に加入している場合は取り扱いが変わってくるケースもありますので、ぜひお読みください。

目次

複数の事業所から収入がある場合(二以上事業所勤務届)

【複数の事業所に勤務し、2カ所以上社会保険の加入要件を満たす場合】

それぞれの事業所で社会保険に加入し、主たる事業所を選択します。

主たる事業所を「選択事業所」といい、それ以外の事業所を「非選択事業所」といいます。

一般の従業員の場合、複数の事業所で社会保険の加入要件を満たすことは、現実的に考えても難しいため、今まで二以上勤務者となっている方のほとんどは、会社の役員でした。

しかし最近では、副業する方も多く、社会保険の適用拡大の影響も相まって、短時間でも社会保険の加入要件を満たすケースが増えております。

今後は一般の従業員でも、二以上勤務者となる可能性がありますので、ご注意ください。

【複数の事業所に勤務し、1カ所で社会保険の加入要件を満たす場合】

どちらか1カ所の事業所で社会保険の加入要件を満たす場合は、その事業所で社会保険に加入します。

この場合、社会保険加入などの手続きや支払う保険料、受け取る保険金などについては1社のみで働いている場合と同じです。

【複数の事業所に勤務し、いずれの事業所でも社会保険の加入要件を満たさない場合】

複数の事業所に勤めていて、労働時間を合計すると1週間の所定労働時間がフルタイム並みだったとしても、いずれの事業所でも社会保険の加入要件を満たさない場合には、原則どこの事業所の社会保険にも加入できません。

その場合は、従業員が個人で国民健康保険に加入します。

【二以上勤務者となったときの手続きの流れ】

複数の事業所に勤務し、2カ所以上社会保険の加入要件を満たす場合、≪会社≫と≪本人≫それぞれで、手続きを行う必要があります。

例)A事業所ですでに社会保険に加入済み、新たにB事業所でも社会保険加入要件を満たす働き方をすることになった場合

①≪本人≫ 選択事業所(主たる事業所)を決める。(→A事業所を選択事業所に決定)
②≪会社≫ B事業所で「健康保険厚生年金資格取得届」を提出する。

(提出先:B事業所管轄の年金事務所・健康保険組合)

③≪本人(会社)≫ 「健康保険・厚生年金 被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」を事実発生から10日以内に選択事業所(A事業所)を管轄する年金事務所・健康保険組合へ提出する。

※副業・兼業については、被保険者本人の申告によって判明するため、原則、本人が二以上勤務届 を提出することになっていますが、実務的には会社が手続きすることが多いです。
※「二以上勤務者届」は、電子申請出来ません。
※健康保険組合を選択したとしても、厚生年金の事務は年金事務所が行いますので、選択事業所を管轄する年金事務所への提出を忘れないようにしてください。
※すでにA事業所として認定済みの被扶養者については、被扶養者異動届の手続きは不要です。

④A事業所及びB事業所それぞれに「二以上事業所勤務被保険者標準報酬決定通知書」が届きます。

健康保険証については、A事業所(選択事業所)のみに届きます。

・今後の手続き(算定基礎届、月額変更届、賞与支払届等)は、非選択事業所の分も含めてすべて、選択事業所の管轄する年金事務所(健康保険組合)が行います。

【二以上勤務者の社会保険料について】

・「健康保険・厚生年金 被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」に記載している各事業所の報酬額を合算して標準報酬月額が決定されます。

・決定した標準報酬月額による保険料額をそれぞれの事業所で受ける報酬月額に基づき按分し、保険料が決定されます。(注意:保険料率は「選択事業所の率」で計算されます。)

・決定した標準報酬月額および保険料額は、選択した事業所の所在地を管轄する年金事務所(健康保険組合)から、それぞれの事業所へ通知されます。

その通知書に記載されている保険料に基づいて給与より控除してください。

・二以上事業所勤務者が発生して非選択事業所の場合、従来の年金事務所、健康保険組合以外の年金事務所、健康保険組合へ毎月保険料を納入する必要があります。(選択事業所の健康保険組合、年金事務所から納入告知書が届きます)

【健康保険証について】

・二以上勤務届を提出すると、今まで使っていた保険証の被保険者番号は欠番となり、選択事業所で新たな番号が付与されます。

その為、新たな保険証が選択事業所に送付されますので、もともと持っていた健康保険証は差し替えで返却する必要があります。

・非選択事業所の被保険者番号は付与されません。

【二以上勤務者の月額変更について】

・1カ所の事業所で、固定的賃金が変動し、2等級以上の差が生じた場合は月額変更の対象となり、変動があった事業所で月額変更届の提出が必要です。

あくまで、それぞれの事業所で、該当るすか否かを確認し、一方の事業所で該当した場合には、合算して2等級以上の差が生じていない場合でも月額変更が必要になります。

通常、2等級以上の差がないと月額変更届の提出は不要ですが、二以上勤務の場合は保険料の按分率が変わり、各事業所の負担する社会保険料が変わります。

・合算額で2等級以上の差が生じても、1カ所の事業所で見た場合に、二等級以上差が生じていない場合は、月額変更に該当しません。

ただし、最高等級(1390千円)へ1等級上がった場合などは月額変更となります。

・標準報酬月額がすでに最高等級(1390千円)であっても、1カ所の事業所で2等級以上の差が生じた場合は、月額変更の提出が必要です。等級は変わりませんが、各事業所の保険料の按分率が変わり、各事業所の負担する社会保険料が変わります。

・月額変更届は、非選択事業所で変動があった場合も、選択事業所管轄の年金事務所・健康保険組合へ提出します。

・各事業所に届く決定通知書を確認の上、被保険者から控除する保険料額の変更を忘れずに行いましょう。

【二以上勤務者の賞与支払届について】

・賞与が支給された場合、各事業所で、賞与支払届を選択事業所の管轄年金事務所・健康保険組合へ提出します。

・各事業所の賞与が同じ月に支払われる場合、各事業所で保険料徴収額の按分が行われます。なお、支給月が異なる場合は、保険料徴収額の按分は行われません。

・賞与支払届を提出後、按分額が記載された決定通知書が届きますので、賞与計算の際は控除額がわかりません。事前に同じ月に他の事業所が支給する賞与の額までは把握できないと思いますので、いったんは通常の保険料控除を行い、後日届く、決定通知書を確認後、被保険者から調整控除を行う必要があります。

【二以上勤務者が非選択事業所を資格喪失した場合】

・非選択事業所の働き方が変わり、社会保険の加入要件を満たさなくなった場合、または退職した場合についての手続きは以下の通りです。

  • 資格喪失した事業所が「資格喪失届」を提出する→選択事業所を管轄する年金事務所・健康保険組合(選択保険者)
  • 選択保険者から非選択保険者(非選択事業所を管轄しる年金事務所・健康保険組合)へ非選択事業所を資格喪失した旨連絡をする
  • それぞれの事業所へ通知書が送付される。

選択事業所→二以上解除決定通知書

非選択事業所→資格喪失確認通知書

【二以上事業所勤務被保険者標準報酬決定通知書について】

・算定基礎届の提出、月額変更届の提出、介護保険料徴収開始、非選択事業所の資格喪失等、社会保険料の按分に変更があったときに、選択事業所を管轄する年金事務所・健康保険組合から送付されます。

自社で手続きしていなくても、他の事業所で手続きしている時もありますので、決定通知書が届いたら、保険料の控除額の変更もれがないように注意しましょう。

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