【少子化時代における社会保険制度 Part1 】産前産後休業・育児休業について確認しましょう!

日本では少子高齢化が進んでおり、少子化は世界的な問題となっております。

日本の2023年の出生人数は727,277人、合計特殊出生率は1.20と過去最低を記録し、東京都に限っては0.99と1を割っている状況です。

20年前の2003年の出生人数は1,123,610人で合計特殊出生率は1.29です。

下記表をご覧の通り、確実に少子化は進んでおり、国は少子化を緩和するため様々な政策を進めております。

2023年にはこども家庭庁が発足され、異次元の少子化対策を実現するため、こども未来戦略方針を策定し、政策を進めております。

社会保険についても少子化対策が反映されており、保険給付、社会保険料の免除や標準報酬月額の特例等があります。

今回は社会保険における少子化対策を見ていきたいと思います。

目次

共働き世帯数と専業主婦世帯数の変化

まず、家庭構造の変化を見ていきましょう。

共働き世帯と専業主婦世帯の世帯数を比べたグラフがあります。

共働き世帯と専業主婦世帯の世帯数

1980年では専業主婦世帯の世帯数は1,100万世帯、共働き世帯は600万世帯であり、夫の収入により、妻が家計のやりくりをし、妻が家事や子育てを行うという時代でした。

2024年には専業主婦世帯の世帯数は508万世帯、共働き世帯は1,300万世帯と共働き世帯が当時の専業主婦世帯数を上回り、共働き世帯中心の時代へと変化してきております。

こちらの傾向は今後も変わらず、共働き世帯の増加が見込まれています。

夫の収入により、妻が家計のやりくりをし、妻が家事や子育てを行うという時代から、夫婦の世帯収入により、家計のやりくりをし、家事や子育てを夫婦分担して行うという時代へと変化してきております。

この様な家庭構造の変化は消費や子育てに大きく影響を及ぼし、社会もそれに応じた内容に変化していかなければなりません。

共働き世帯が増えるということは、家庭において子育てがしにくくなるということでもあり、少子化の一因となります。

労働人口の構造が変化するということは、働く方が加入する保険制度である社会保険制度が大きく影響するところであります。

少子化対策の一つとして、社会保険制度を見直すことにより、働く人にとって仕事を続けながら子育てが可能な社会を目指しております。

子育てに関する社会保険制度

共働き・少子化に応じ、社会保険については下記のような制度があります。

これらは産前産後休業から始まり、妊娠、産前産後休業、出産、育児休業、職場復帰と展開していく中での社会保険制度です。

働く方にとって、仕事と子育てとの両立がしやすいような内容となっております。

  • 産前産後休業中の社会保険料免除(健康保険・厚生年金保険)
  • 出産育児一時金(健康保険)
  • 出産手当金(健康保険)
  • 育児休業中の社会保険料免除(健康保険・厚生年金保険)
  • 育児休業給付(雇用保険)
  • 出生後休業支援給付金(雇用保険)
  • 育児時短就業支援給付金(雇用保険)
  • 養育期間標準報酬月額特例(厚生年金保険)
  • 育児休業等終了時月額変更(健康保険・厚生年金保険)

社会保険制度の具体的な内容を見ていく前に、産前産後休業、育児休業について説明いたします。

産前産後休業

産前産後休業とは母性保護措置として労働基準法に定められている休業です。

産前休業と産後休業に分かれております。

産前休業:出産予定日42日前(多胎妊娠の場合は98日前)から女性が請求した場合に就業させてはならない期間となります。

産後休業:出産後56日においては女性が請求せずとも、就業させてはならない期間となります。

ただし、産後42日を経過した女性が請求した場合、医師が支障ないと認めた業務に就かせることは差し支えありません。

なお、「出産」とは、妊娠85日(4か月)以上の分娩をいい、「死産」や「流産」も含まれています。出産日は産前休業に含まれます。

社内の手続きとしては、従業員から産前産後休業を取得する旨を会社に申し出、休業に入ります。

出産しましたら出産日が確定しますので産後休業期間も確定します。

出産予定日と実際の出産日は異なる場合がありますので、出産しましたら速やかに会社に申し出ることとなります。

育児休業

育児休業とは育児・介護休業法に定められており、原則子が1歳になるまでの間、休業を取得できる制度です。女性だけではなく男性も取得できます。

育児休業(女性):産後休業が終わる産後56日経過後から取得できます。
育児休業(男性):出産予定日または出産日から取得できます。

女性と男性の違いとしては、女性は自身が出産を行い産後休業がありますので、産後56日間は産後休業となり、産後56日経過後は育児休業となります。

男性は自身が出産をしないので、出産予定日または出産日からい育児休業となります。

育児休業は取得者から会社に出産日や育児休業期間を申し出ます。

子が1歳に達しても保育所等に子供を預けられない等、育児休業が必要な場合には、最長で2歳になるまで育児休業を延長することができます。

社内の手続きとしては、会社により異なりますが、女性の場合は基本的には産前産後休業の申し出と同時に行い、出産後に育児休業の期間を調整するような流れとなります。

オフィスステーションを使用し、手続きを効率化しましょう!

弊事務所では、オフィスステーション(https://www.officestation.jp/)を使用し、手続業務の効率化を行っております。

子育て期間中に発生する手続きについてもオフィスステーションで対応可能です。

給付金関係の手続きを行う場合は、毎月の賃金データを前もってシステムに登録しておくことにより、賃金データ入力の作業の必要がなくなります。

また、育児休業給付金は2ヵ月に1度申請が必要ですが、進捗管理についてもシステムが行ってくれますので、手続き漏れを防ぐことが可能です。

その他の手続きについても、電子申請を活用することによって、業務効率化、コスト削減を行うことができます。

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