雇用保険とは?加入条件や給付について簡単に説明します!

今回は雇用保険についてお話しさせていただきます。

どのような事業が適用となり、だれにどのような給付が行われるのか?

簡単に説明しておりますので、ぜひお読みください。

目次

雇用保険制度とは

雇用保険制度とは、雇用保険法に基づき、労働者が失業した場合に、次の就職までの一定の間、生活の安定を図るための「求職者給付」、失業者の再就職の促進を図るための「就職促進給付」、労働者の雇用の継続を図るための「雇用継続給付」、労働者の能力開発の取り組みを支援し、雇用の安定と促進を図るための「教育訓練給付」、労働者の雇用の安定、能力の開発を図るための「雇用保険二事業」を行う制度です。

適用事業

労働者を一人でも使用する事業は、暫定任意適用事業となる場合を除き、雇用保険法の適用を受ける事業(適用事業)となります。

雇用保険は、経営組織として独立性をもった事業所単位で適用されます。支店や工場でも、人事、経理、経営管理等の面で独立性があれば、支店ごとで適用事業となります。

独立性のない支店等は、公共職業安定所の承認を受けて、本社等が一括して手続きを行うことができます。

暫定任意適用事業

農林水産業で、常時使用する労働者が5人未満の個人経営の一部の事業は、雇用保険の適用を受けるか任意に選択をすることができます。

<適用事業所の手続き>

  • 事業所を設置したとき。
  • 事業所の名称、所在地、事業主の住所、氏名、事業の種類に変更があったとき。
  • 事業所を廃止した、雇用する労働者がいなくなったとき。
  • 新しく設置した事業場(支店等)が適用事業所に該当しないとき。

被保険者

被保険者には、次の4種類があります。

  1. 一般被保険者
    • 2.3.4以外の常用労働者
  2. 高年齢継続被保険者
    • 65歳以上の常用労働者
  3. 短期雇用特例被保険者
    • 季節的に雇用される者等
  4. 日雇労働特例被保険者
    • 日々雇用される者、30日以内の期間を定めて雇用される者

ただし次に該当する者は、被保険者とはなりません。

  • 1週間の所定労働時間が20時間未満の者
  • 31日以上の雇用の見込みがない者
  • 昼間学生(ただし、卒業見込証明書を有する者で、卒業前から就職し、卒業後も引き続き同一の事業所に勤務する予定の者は被保険者となります)
  • 法人の代表者、監査役、取締役(ただし、兼務役員で、就労実態や報酬支払の面等でみて、労働者の側面もある場合は被保険者となります)
  • 農業および漁業協同組合の役員
  • 生命保険および損害保険会社の外務員(ただし、雇用関係が明らかな場合は被保険者になります)
  • 家事使用人(ただし、主として家事以外の労働に従事している場合は被保険者になります)
  • 事業主と同居の親族(ただし、就業の実態が他の労働者と同様であるなど、一定の条件を満たす場合は被保険者となります)
  • 臨時内職的に雇用される人
  • 在宅勤務者(ただし、事業所勤務と同一の就業規則等の適用がある場合は被保険者となります)
  • 国外で就労する人(ただし、出張や海外支店への転勤により国外で働く場合は、雇用が継続している限り被保険者となります)
  • 外国公務員および外国の失業保険制度の適用を受けている人

<被保険者の手続き>

  • 入社した、週の所定労働時間が20時間以上になったとき。
  • 退社した、週の所定労働時間が20時間未満になったとき。
  • 転勤したとき。
  • 氏名が変更になったとき。
  • 雇用保険被保険者証を紛失したとき。
  • 高年齢雇用継続給付の受給要件に該当したとき。
  • 育児、介護休業を取得したとき。

失業等給付

  1. 求職者給付

(1)一般被保険者に対する求職者給付

給付名給付内容給付額受給要件
基本手当      一般被保険者が離職し、労働の意思及び能力を有し、努力をしているにも関わらず職業に就くことができない状態(失業の状態)において、受給要件を満たしている場合、給付を受けることができます。

給付を受けることができる期間は、原則、離職日の翌日から起算して1年間です。
ただし、妊娠、出産、育児、疾病、負傷等により引き続き30日以上職業に就けない時等の理由があれば期間を延長できることがあります。

※正当な理由がない自己都合退職の場合、5年間のうち2回までは給付制限期間が2ヵ月となります。(自己の責めに帰すべき重大な理由で退職した場合の給付制限期間は3ヵ月になります。)
失業の状態にある日ごとに、基本手当が支給されます。

基本手当の日額は、原則として離職日6か月前の賃金を180で除した額の45%~80%です。(年齢ごとに上限があります。)

基本手当が支給される日数は、離職の日における年齢、雇用保険の被保険者であった期間及び離職の理由などにより90日~360日間の範囲で決定されます。   
離職日以前2年間に、被保険者期間が通算して12ヵ月以上ある必要があります。
ただし、特定受給資格者又は特定理由離職者に該当する場合、離職日以前1年間に、被保険者期間が通算して6ヵ月以上あれば受給ができます。
※雇用保険の被保険者であった期間のうち、離職日から1ヵ月ごと区切っていた期間に賃金の支払いの基礎となった日数が11日以上又は賃金の支払いの基礎となった時間数が80時間以上ある月を1ヵ月として計算します。

※特定受給資格者とは、解雇等により離職した者をいい、特定理由離職者は特定受給資格者に準ずる理由により退職した者をいいます。
技能習得手当基本手当を受給できる者(以下「受給資格者」といいます。)が、公共職業安定所長等の指示により公共職業訓練等を受講している場合に、基本手当の他に支給されます。
技能習得手当は、職業訓練を受けた日に対して支給される受講手当と、公共職業訓練施設まで通うための通所手当の2つから構成されます。
受講手当は1日500円(上限20,000円)です。

通所手当は通所方法によって変わりますが、最高42,500円/月までです。
※支給対象にならない日がある月は減額されます。
受講手当は、受給資格者が公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受けること。
通所手当は、受給資格者が、公共職業訓練等を行う施設へ通うために公共交通機関、自動車等を利用すること。
寄宿手当受給資格者が、公共職業安定所長の受講指示により公共職業訓練等を受講するために受給資格者に生計を維持されている家族と別居する場合、基本手当の他に支給されます。月額10,700円が支給されます。
※支給対象にならない日がある月は減額されます。
公共職業訓練等を受けている期間のうち上記家族と別居していること。
傷病手当受給資格者が求職の申し込みをした後、15日以上引き続き傷病のため職業に就くことができない場合に、基本手当日額に相当する額が、所定給付日数の範囲内で支給されます。
※14日以内の傷病の場合は基本手当が支給されるます。
基本手当と同額が支給されます。傷病により15日以上職業に就くことができないこと。

※他の法令に基づき類似の給付を受ける日は受給できません。

(2)高年齢被保険者に対する求職者給付

・高年齢求職者給付金

高年齢継続被保険者が離職し、労働の意思及び能力があるにも関わらず、職業につくことができない場合に支給されます。

被保険者期間

離職日以前1年間のうち、被保険者期間が6ヵ月以上必要です。

※雇用保険の被保険者であった期間のうち、離職日から1ヵ月ごと区切っていた期間に賃金の支払いの基礎となった日数が11日以上又は賃金の支払いの基礎となった時間数が80時間以上ある月を1ヵ月として計算します。

給付日数

一時金となります。

被保険者であった期間が1年未満:30日分

被保険者であった期間が1年以上:50日分

(3)短期雇用特例被保険者に対する求職者給付

・特例一時金

短期雇用特例被保険者が離職し、労働の意思及び能力があるにも関わらず、職業に就くことができない場合に支給されます。

被保険者期間

離職日以前1年間のうち、被保険者期間が6ヵ月以上必要です。

※雇用保険の被保険者であった期間のうち、離職日から1ヵ月ごと区切っていた期間に賃金の支払いの基礎となった日数が11日以上又は賃金の支払いの基礎となった時間数が80時間以上ある月を1ヵ月として計算します。

受給期間

離職日の翌日から6ヵ月

給付日数

基本手当日額の40日分に相当する額

(4)日雇労働被保険者に対する求職者給付

・日雇労働求職者給付金

日雇派遣で働く方が離職し(派遣会社に予約登録していたが派遣されなかった)、労働の意思及び能力があるにも関わらず、職業につくことができない場合に支給されます。

受給要件

離職した日の属する月前2ヵ月間に26枚の以上の印紙が貼付されているとき、その月に給付金を受給する資格が発生します。

  • 就職促進給付

(1)就業促進手当

・再就職手当

基本手当の受給資格のある方が就職し、基本手当の支給残日数が残っている場合に支給されます。

・就業促進定着手当

再就職手当の支給を受けた人が、引き続きその再就職先に6ヵ月以上雇用され、6ヵ月の間に支払われた賃金が、離職前の賃金に比べて低い場合に支給されます。

・就業手当

基本手当の受給資格のある方が就職したが、常用雇用以外の形態で就職し、基本手当の支給残日数が残っている場合に支給されます。

・常用就職支度手当

基本手当の受給資格がある方、高年齢受給資格者、特例受給資格者、日雇受給資格者のうち、障害があるなど、就職が困難な方が安定した職業に就き、一定の要件を満たす場合に支給されます。

(2)移転費

受給資格者等が、ハローワークが指示した公共職業訓練等を受講するため、住居を変更する必要がある場合に支給されます。

(3)求職活動支援費

・広域就職活動費

受給資格者等が、ハローワークの紹介により遠隔地の事業所を訪問して面接等をした場合に、交通費、宿泊費が支給されます。

・短期訓練受講費

受給資格者等が、ハローワークの職業指導により、再就職のための職業訓練を受けて修了した場合に支給されます。

・求職活動関係役務利用費

受給資格者等が、求人者との面接や教育訓練を受講するために、子どもについて保育サービスを利用した場合に支給されます。

  • 教育訓練給付

・教育訓練給付金

一定の受給要件を満たす方で、厚生労働大臣の指定を受けた教育訓練を受講・修了した方に対し、その費用の一部が支給されます。

  • 雇用継続給付

(1)高年齢雇用継続給付

60歳以上65歳未満の被保険者が、60歳時点に比べて賃金が75%未満に低下した場合に、各月に支払われた賃金の最大15%が支給されるものです。

(2)介護休業給付

被保険者が対象家族を介護するための介護休業を取得した場合、支給されるものです。

賃金の67%が支給されます。

(3)育児休業給付

被保険者が1歳(一定の要件に該当する場合、1歳2ヵ月、1歳6ヵ月、2歳)に満たない子を養育するための育児休業を取得した場合、支給されるものです。

休業開始から180日は賃金の67%、以後は50%が支給されます。

雇用保険二事業

  • 雇用安定事業

雇用調整助成金、特定求職者雇用開発助成金、労働移動支援助成金等

  • 能力開発事業

人材開発支援助成金、職業能力開発施設の設定・運営等

不正受給

雇用継続給付(高年齢雇用継続給付、介護給付、育児休業給付)、基本手当等、失業等給付を不正に受給した場合、あるいは受給しようとした場合、不正受給処分を受けることとなります。

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