離職票ってなに?雇用保険の基本手当について詳細に解説します!

今回は離職票についてお話しさせていただきます。

雇用保険の被保険者だった方が、離職により、働く意思と能力があるにも関わらず、働いけない状態にある場合には基本手当を受給することができます。

その基本手当の支給額が決定されるための大切な書類になります。

ぜひお読みください。

目次

離職票とは

基本手当(失業給付といわれています)を受給するために必要な書類です。

本人が発行を希望しない場合を除き、基本的に離職票の発行は必要となります。

手続き方法については、雇用保険の被保険者が退職等をした際、「雇用保険被保険者資格喪失届」と合わせて、「雇用保険被保険者離職証明書」をハローワークへ提出します。

電子申請ではなく、紙で手続きを行う場合、「雇用保険被保険者離職証明書」は3枚複写になっていますので、1枚目が事業主控、2枚目がハローワーク提出用、3枚目が退職者用となり、この3枚目が離職票-2となります。「雇用保険被保険者資格喪失届」は離職票-1となりますが、離職票-1、2のセットで、基本手当(失業給付)の受給に必要な書類となります。

ハローワークで離職票の手続きをした際は、以下が発行されます。

  1. 雇用保険被保険者離職票-1、資格喪失確認通知書(被保険者用)
  2. 雇用保険被保険者離職証明書(離職票-2)
  3. 雇用保険被保険者資格喪失確認通知書(事業主用)
  4. 雇用保険被保険者離職証明書(事業主控)

①と②が本人用、③と④が会社保管用です。

電子申請で申請をすると、上記の①~④の他に、⑤「離職票-2(裏面)」と、⑥「離職証明書をご提出いただいた事業主の皆様へ」も発行されますので、⑥から「離職されたみなさまへ」をダウンロードしていただき、本人へは、①、②、⑤、⑥(離職されたみなさまへ)の4点をお渡しください。

なお、事業主用については会社保管となりますが、雇用保険の被保険者に関する書類の保管期限は完結の日(退職、解雇や死亡の日)から起算して4年となります。

提出期限

雇用保険被保険者資格喪失届の提出期限は、被保険者でなくなった日の翌日から起算して10日以内です。事業所管轄のハローワークに提出します。

提出書類

  • 雇用保険被保険者資格喪失届
  • 雇用保険被保険者離職証明書(本人が離職票の交付を希望しない場合は不要)
  • 賃金台帳
  • 出勤簿
  • 労働者名簿、離職理由が確認できる書類等

基本手当の受給要件について

基本手当(失業給付)は、会社を退職すれば必ず受給ができるものではありません。

一定の要件を満たした場合に受給をすることができます。

基本手当の支給を受ける資格を受給資格といい、この資格がある方を受給資格者といいます。

受給要件は、以下のいずれにも該当する方です。

  • 原則として、離職の日以前2年間に被保険者期間が12ヵ月以上(※1)あること。ただし、倒産・解雇等の理由により離職した場合(特定受給資格者)や、期間の定めのある労働契約の期間が満了し、かつ、当該労働契約の更新がないことにより離職した方等(特定理由離職者)については、離職の日以前1年間に被保険者期間が通算して6ヵ月以上ある場合でも受給をすることができます。
  • 雇用の予約や就職の内定が決定されていない、失業の状態(※2)にあること。

※1 雇用保険の被保険者であった期間のうち、離職日から1ヵ月ごとに区切っていた期間に、賃金支払いの基礎となった日数が11日以上、または賃金の支払いの基礎となった時間数が80時間以上ある月を1ヵ月と計算します。

※2 離職し、就職しようとする意思といつでも就職できる能力があるにもかかわらず、職業に就けず、積極的に求職活動を行っている状態。

待期期間とは

ハローワークに求職の申し込みを行った日から通算して7日間を待期期間といいますが、この待期期間が満了するまでは、基本手当は支給されません。

離職理由に関わらず、すべての方に適用されます。

給付制限期間とは

待期期間満了後に、さらに基本手当の支給が行われない期間を給付制限期間といいます。

令和2年10月1日以降に離職された方は、正当な理由がない自己都合退職の場合、5年間のうち2回までは給付制限期間が2ヵ月となります。

3回目の離職以降、その離職から遡って5年間に2回以上の自己都合による離職があるかを確認しますが、5年間に2回以上の自己都合による離職があった場合、3回目の離職にかかる給付制限期間は3ヵ月となります。

なお、自己の責めに帰すべき重大な理由で退職された方(重責解雇)の給付制限は3ヵ月です。

基本手当の受給期間

原則、離職した日の翌日から1年間ですが、その間に、病気、けが、妊娠、出産、育児等の理由により、引き続き30日以上働くことができなくなったときは、その働くことのできなくなった日数だけ、受給期間を延長することができます。

ただし、延長ができる期間は最大で3年間となります。

なお、上記の理由で受給期間の延長をする場合は、引き続き30日以上職業に就くことができなくなった日の翌日以降、住所または居所を管轄するハローワークに申請が必要です。

基本手当の給付日数について

離職理由、年齢、被保険者であった期間、就職困難者かどうかによって受給できる日数が決まります。

受給できる日数のことを、所定給付日数といいます。

一般受給資格者の給付日数

  • 自己都合退職、定年退職、契約期間満了など、倒産・解雇等以外の理由で退職した方
 被保険者であった期間
1年未満1年以上 5年未満5年以上 10年未満10年以上 20年未満20年以上
全年齢90日(※)90日120日150日

※特定理由離職者については、被保険者期間が6ヵ月(離職以前1年間)以上あれば基本手当の受給資格を得ることができます。

特定受給資格者及び一部の特定理由離職者の給付日数

  • 倒産、解雇等により再就職の準備をする時間的余裕がなく離職を余儀なくされた方
  • 期間の定めのある労働契約の期間が満了し、更新を希望したが会社都合で更新されなかったことにより離職した方
 被保険者であった期間
1年未満1年以上 5年未満5年以上10年未満10年以上20年未満20年以上
30歳未満90日90日120日180日
30歳以上35歳未満120日180日210日240日
35歳以上45歳未満150日240日270日
45歳以上60歳未満180日240日270日330日
60歳以上65歳未満150日180日210日240日

※重責解雇は一般受給資格者の給付日数となります。

就職困難者の給付日数

  • 身体障害者、知的障害者、精神障害者、刑法等の規定により保護観察に付された方、社会的事情により就職が著しく阻害されている方など
 被保険者であった期間
1年未満1年以上
離職時年齢45歳未満150日300日
45歳以上 65歳未満150日360日

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